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調査は各都道府県・政令市の１９９８年と１９９９年の児童相談所にかかる当初予算のうち、人件費を除く「事業費」「管理・運営費」などを抽出した。４５都道府県と１２市（計１６６児童相談所）から回答を得た。
前年より事業費・運営費が削減されたのは計３４自治体で、全体の５９．６％に上る。最も削減率が大きいのは神奈川県（１５．８％減）で、沖縄県（１０．４％）、三重県（１０．３％）、宮崎県（９．９％）、奈良県（９．８％）が続く。全国に先駆けて虐待に取り組んできた大阪府も８．３％削減され、５年間発行してきた機関紙が廃刊に追い込まれた。「紙質を落として何とか経費を切り詰めてきたが、ついに出せなくなった」と大阪府子ども家庭センター職員は言う。
５カ所の児童相談所で計約１７００万円が削られた神奈川県の担当者は「職員数だけはかろうじて維持したが、乾いた雑巾を絞り、さらに切り刻んでいる感じ」と語る。埼玉県では６カ所の児童相談所の事業・運営費は計１億１６９６万円だが、サッカーのワールドカップ推進事業には９，５００万円が計上された。「ワールドカップより子どもの命を救うために予算をまわしてほしい」と児童相談所の関係者は訴える。東京都や千葉市でも１，０００万円単位で削減された。
一方、高知県は対前年比７０．８％、広島県は２１．２％と伸び率が目立っている。しかし、高知では児童相談所内の「支援ホーム」建設事業（約４，７００万円）が含まれ日常的な事業・運営費は前年より少なく、職員も計５６人から５３人へと削減。
１９９９年６月６日付 毎日新聞（児童虐待取材班）より
